男はつらいよ50 お帰り寅さん

2020年01月13日
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おススメの一本
73点

渥美清主演の大人気シリーズが山田洋次の手で復活。

男はつらいよ50 お帰り寅さん



寅さんの甥である満夫は小説家になり、娘と二人暮らしをしていた。そんなある日、満夫はサイン会の場でかつての恋人・泉と再会。ほのかな恋心が蘇えらせつつ、満夫は妻と死別したことを泉に言えずにいたのだが……。

「男はつらいよ」が積み上げてきた歴史をまざまざと感じさせられる一作。
シリーズというのは、単に四十八本分の素材があるというだけではない。
寅さんをはじめ、さくらやその他の登場人物たちが四十八本分生きてきた歴史があるのだ。

だから、この作品も、昔を懐かしむためにオールキャストが揃ったという印象はまったくない。
むしろ逆で、撮られないだけでずっとそこに生き続けていた彼らに、たまたま今日スポットが当たって映画になったという感じがするのだ。
おそらく山田洋次にとっても、キャストにとっても、寅さんの世界はずっと続いていたものなのだろう。
映画になる、ならない、渥美清がいる、いないに関わらず、間違いなく寅さんの世界はそこにあった。

もちろん、昔の映像は懐かしさを感じさせる。でも、それは懐かしい映画の映像ではない。
例えるなら、古いアルバムを見ているような懐かしさ。そこで振り返るのは映画ではなく人生という気さえする。
観客は渥美清が亡くなっているのを知っているのに、その世界にはまだ寅さんがいることを信じている。
そして寅さんは確かにそこにいる。

これだけ長くシリーズをやってきた「男はつらいよ」だからこそできた作品世界。
歴史を積み上げて「いま」を描いて見せた山田洋次には、すごいという言葉しかない。
ほかの映画では決してできないことをこの映画はやっている。それが体験できるだけでも貴重だ。

※ほか、ちょっと。
・寅さんが出てくるだけでシーンがぽっと明るくなり、笑いが漏れ、にぎやかになる。その存在感はすさまじい。
・自分勝手で落ち込みやすく浮かれやすい。そんな寅さんみたいな人にとって現代は生きづらい世の中だろう。
・若い頃の倍賞千恵子ってこんなに可愛かったんだ、と驚いた。
・現代の寅屋では「レアチーズケーキ」とかも売ってるらしいです。
・理由なく笑えます。理由なく泣けます。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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