キスト

2020年03月05日
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観ておきたい一作
73点

死体愛好を描いたカナダ映画。

キスト



子供の頃から死に魅入られていたサンドラは、大人になり葬儀場で働くうちに、死体と交わる快感を覚えてしまう。そんなサンドラの前に現れたマットは、彼女を誘い、初めてのセックスの相手となる。だが、その愛情に満たされないサンドラは、死体とのセックスを続けるのだが……。

なんか見てはいけないものを見てしまったような背徳感がある。
ただ、それが決して嫌な感覚でないのは、サンドラの気持ちが純粋だからだろう。
彼女は死体を尊敬し、真摯な態度で接する。セックスもその延長線上にしかない。
趣味や興味本位ではなく、何かの代替品でもなく、彼女にとって死体はあくまでも愛するものなのだ。
そこにある噓のない愛は、それがたとえどんな歪な形のものであれ、美しい。
常識から考えても共感できることではないのに、それでも彼女の気持ちがわかるのは、それゆえだろう。

一方で、マットの愛には悲しさが漂う。
彼は彼女を愛するがゆえに彼女を理解したいと望み、理解するために必死になる。
だが、彼は彼女をどうしても理解できず、理解しようともがけばもがくほど彼女の気持ちは離れていく。
最後の選択はもうどうしようもなく決まった結末だ。

そして、そこで描かれる人間の業はあまりにも残酷だ。

※ほか、ちょっと。
・キワモノ的なものかと思ったら、ちゃんとした愛を描いた作品でした。
・こういうのが成り立つのって、防腐処理をして化粧も施すエンバーミングがごく普通の社会だからだろうとも思った。
・R指定になっていますが、そんなにグロくもエロくもないです。
・「この作品が好き!」とはあんまり人には言えない。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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