アクト・オブ・キリング

2020年05月17日
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観ておきたい一作
85点

インドネシアで大虐殺を行った人たちを異質な切り口で描いたドキュメンタリー映画。

アクト・オブ・キリング



1960年代、インドネシアでクーデターが起こり、100万人以上の人々が虐殺された。現在、クーデターに参加し、虐殺に関わった人たちは英雄として優雅な暮らしをしている。そんな彼らに「あの虐殺を本人出演で映画化しませんか?」と声をかけ、映画作りをはじめるのだが……。

とんでないドキュメンタリーだった。過去にこういうのは「ゆきゆきて神軍」ぐらいしか観たことがない。
虐殺を行った人たちは自分たちが悪いことをしたとはこれっぽっちも思っていない。
だから、映画製作にも積極的だし、嬉々として虐殺シーンも演じる。
その嬉しそうな様子に吐き気を催す。
人間がここまで簡単に悪になれるのだという事実に恐怖すら覚える。

でも、人間の本質は、他者を殺すことに平気ではいられない。
どんなに気分的には盛り上がっても、心の奥底では澱が溜まっていく。
主人公は映画の完成を楽しみにしながらも、ある虐殺シーンの撮影が終わった夜、人知れず吐く。
「俺のやったことは本当に正しいことだったのか」
そう自問自答する姿に、本当にわずかな、でも確かな救いを感じる。

よくぞ、こんな物を撮り上げたと感心した。
と同時に、主人公の撮る映画を観たいと感じてしまった自分が怖くなった。
ドキュメンタリーの可能性を大きく広げた大傑作だ。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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