レディ・バード

2020年05月18日
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観ておきたい一作
70点

グレタ・ガーウィグが思春期の少女を赤裸々に描いた青春映画。

レディ・バード



自分のことを「レディ・バード」と呼ぶ少女は、都会の大学へ進学することを希望していたが、母親に大反対されていた。彼女の生活は毎日がイライラすることばかり。早くセックスしたいと願い、よりおしゃれな生活や友だちをほしがる彼女は、クラスでやるミュージカルの主役のダニーに憧れていたが、その相手役のオーディションにも落ちてしまう。しかも、ヒロインに選ばれたのは彼女の親友のジュリーで……。

こんなにもむき出しの青春の姿があっただろうか、と思うぐらいレディ・バードが生々しい。
彼女は決してキラキラした少女ではなく、むしろ面倒臭いこじらせ系の女の子。
それだけに、その生々しさは滑稽でありつつも、本当に人間そのもので、嫌でも共感してしまう。

好きな相手のヒロインに選ばれなかっただけで彼女はとことんまですねる。
ベッドに好きな相手の名前を彫り込んだりしてしまう。
イケイケな友だちができると、それまで親友だった真面目な友だちとも簡単に距離を置く。
好きな相手がころころ変わるし、ちょっとしたことでも好きじゃなくなる。

言ってみれば相当なヘタレ、ダメ人間、いやクズに近い。
でも、人間ってそうだなよぁとも思わされるのだ。
調子に乗ってやらかして、自己嫌悪して、でも何も変われなくて。
そういうのって、誰にでもあるんじゃないだろうか。

監督のグレタ・ガーウィグは、美しかったり強かったりする光の部分も、汚くてみじめで格好悪い陰の部分も、見事に描いてみせる。
今回は陰が強調されていて、それを主演のシアーシャ・ローナンが生き生きと演じている。
だからこそ、レディ・バードはとても人間臭いのだ。

これほどダメな女主人公を観た記憶が少なくとも僕にはない。
そして、イヤなんだけど、なぜか共感してしまう。いいヘタレ映画だった。

※ほか、ちょっと。
・親友と関係を取り戻すプロムのシーンは本当に感動的。ジュリーのいい人さが際立つ。
・冒頭から思いっきりぐっと持っていかれます。ちょっとあのシーンは驚きました。
・いろいろあったけど都会に行って……と話は続くのですが、都会でも彼女はクズです。
・それでも、ラストはジーンと来ました。
・これは自分の話でもあるよな、と思って観ると、少し痛いです。
・「20センチュリー・ウーマン」のアビーがこれを撮ったんだぁ、と思うと感慨深い。この監督さん、女優としても最高に魅力的です。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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