メアリーの総て

2020年05月22日
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観ておきたい一作
75点

世界的ホラー小説『フランケンシュタイン』誕生の秘話を描いた映画。

メアリーの総て



文章を書くのに憧れていた少女メアリーは、ある日、出会った天才詩人のパーシー・シェリーに恋をする。やがて二人は関係を持つようになるが、メアリーの両親は結婚に反対し、結局、二人は駆け落ち同然に家を出ることになる。子供も生まれ、やっと落ち着けるかと思った二人。しかし、その直後、パーシーが破産し、夜逃げの最中に子供も死んでしまう。そんな二人を見かねた有名詩人のバイロンは、彼らをレマン湖に誘い、そこで怪談をしようと持ち掛けるのだが……。

小説を書くという地味な題材を、よくぞここまで劇的に描いたなぁと思った。
墓地のそばでアイデアを浮かべるシーンや、実際にとりつかれたかのように『フランケンシュタイン』を書き上げるシーンは、魅入ってしまうほど面白かった。

また、史実通りなのかどうなのかはわからないが、説得力がものすごくあるのがいい。
家族も家も、夫の愛さえも失った、もう何もない彼女が、子供の死を抱え込み、その思いを小説にするってのは、十分にあり得るし、だからこそ『フランケンシュタイン』なのだ、というのも頷ける。
と同時に、あの物語が、子供を失った母親の狂気と悲しみなのだという事実に震える。

彼女は絶望と執筆を通して、一人の作家として生きていくことを覚悟する。
「女の書いた小説なんて売れるか」と、どこの出版社にも引っ掛からない。
けれど、彼女は諦めない。夫の序文を入れることを受け入れ、それでも出版にこだわる。
それは、作家であることと、子供の死を忘れないという強い覚悟の表れなのだろう。

知らない歴史を知れた、という意味でも、一人の女性の生き様を見たという意味でも面白い映画だった。

※ほか、ちょっと。
・エル・ファニングはやっぱり上手い。この映画でも少し地味めな女の子が成長していく様子を見事に演じていた。作品選びも面白い。
・実際のメアリーも18歳で『フランケンシュタイン』を執筆している。ただし、それ以前に子供が亡くなったという記録はないみたいだ。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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