恋人たち

2020年05月27日
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おススメの一本
88点

生きていくのがつらい人たちにスポットを当てた橋口亮輔のオリジナル映画。

恋人たち



弁当屋で働きながら、肉屋の店主と不倫関係に陥った瞳子。同性愛者の弁護士で、学生時代からの友人に密かな想いをよせる四ノ宮。通り魔事件で妻を殺され、心を病んでしまったアツシ。彼らの苦しくも行き場のない生活は、今日も続いていた……。

群像劇として三人の恋や愛、生活が描かれているんだけど、そのどれもが普通には観ていられない。
閉鎖観と息苦しさがすさまじく、目を背けたくなるのに、目を離せない。
ずっと息をしないまま観ていたような感覚に襲われた。

なかでも、アツシの話は強烈なんて言葉では言い表せないほどに強烈。
何も悪いことをしていないのに、唐突に愛する妻を殺されて、しかも加害者が精神鑑定で無罪になりそうだという理不尽さ。
被害者であるはずなのに、ケアされるどころか、なぜか一方的に追い詰められていく世間の無情さ。
こんな状況に追い込まれたら、気が狂ったほうが、死んだほうが楽だときっと思う。
でも、生活は続いていくという残酷な現実。

それぞれの話には、本当にわずかだけれど救いもあって、最後には一応明日を生きられる程度には落ち着くんだけど、それが救いと感じ取れないほどに、きつかった。泣きたくなるほどに苦しかった。

あの明るくはじけた「ハッシュ!」を撮った監督と同じ人とは思えない。
2015年に観た映画の中で、一番心を揺さぶられ、震えた映画だった。

※ほか、ちょっと。
・役者さんがみんな素人っぽく、それがまた独特な味を出しているのが、素晴らしい。
・個人的には数年に一度レベルの傑作だと思ってる。
・本当は映画館で泣きました。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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