ふがいない僕は空を見た

2020年06月02日
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おススメの一本
74点
窪美澄の原作をタナダユキ監督で映画化。

ふがいない僕は空を見た



高校生の卓巳は、人妻の里美の家に訪れてはコスプレしてセックスするという関係を結んでいた。里美はじつは不妊症で悩んでいたのだが、卓巳はそれを知らない。卓巳の友だちの良太は認知症の祖母と二人暮らし。バイトでかつかつの生活を送っているが、悩みを相談する相手はいない。そんなある日、卓巳と里美がコスプレ姿で抱き合っている写真がネット上にばら撒かれて……。

どんなにいびつな形であっても、愛は愛だし、生きていることはそれだけで価値がある。
でも、そうやって納得できる人は世の中にはあまりいないと思う。
誰もが自分のいまが本当に正しいのかどうか疑問を持つ。
自分のしていることがいけないことだとわかっているなら、なおさらだ。

卓巳も里美も不倫をしているという負い目がある。
もっと言えば、コスプレしているという人に言えない恥ずかしさもある。
良太は自分の置かれている状況にまったく納得がいっていない。
でも、自分ではどうにもできずに、ただひたすらに苦しんでいる。

彼らの姿を滑稽だと笑うのは簡単だ。
自業自得だと非難するのも簡単だ。
もっとちゃんと生きなよと諭すのもやはり簡単だ。

でも、本当はそんなに簡単なものじゃないのだとも思う。
いまそう生きているということは、人から否定されていいものでは決してない。
卓巳のお母さんが助産師で、人が生まれる瞬間に立ち会っているというのは、生きていることの価値が、生きていることそれ自体にあると、まるで語っているようだ。

僕らはみんな、それでも生きていなきゃいけない。
そんなことを深く考えさせられた映画だった。

※ほか、ちょっと。
・卓巳と里美のプレイが本当に楽しそうなのが余計にひりひりとする。
・原作は未読です。聞くところによると、相当いいらしいです。
・窪田正孝くんは弱って壊れる役がよく似合う。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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