悪の偶像

2020年06月30日
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そこそこ楽しめた
66点

マーティン・スコセッシが絶賛したらしい韓国の謀略サスペンス映画。

悪の偶像



医者から政治家に転身したミョンフェは、周囲からの期待も高く知事になるだろうと目されていた。しかし、ある晩、出張から自宅に戻ると、そこには壊れた車と男の死体が。息子のヨハンが人を撥ねて殺してしまったというのだ。悩んだ末、ミョンフェは後始末をしてから死体を元の場所に戻し、息子を自首させる。一方、殺された男の父、ジュンシクは半狂乱になりながらも、息子の死に謎が隠されていることを感じていた。鍵を握るのは、行方不明になっている、息子といたはずの花嫁リョナ。しかし、事件の別の真実を知ってしまったミョンフェもまた、リョナを探しはじめていた……。

かなり怖いし、エグイし、相当に面白い。
ただ、いかんせんあまりにも話が複雑すぎて、難しく、頭が付いていけない。
観ている間中、ずっと「俺はバカなんだろうか」という気にさせられた。

映画は最初、ミョンフェ側(政治家の世界)とジュンシク側(一般市民の世界)の対立として描かれる。
政治家が裏から手を回し、事実を隠そうとするのを、一般市民が証拠を探して真相を明かそうとする構図だ。
ここまではとてもわかりやすい。
が、この後にリョナ側(不法移民の世界)の視点が入ってくることで、一気に話が難しくなる。

ミョンフェもジュンシクも、リョナを探して奔走する。
でも、リョナはなかなか見つからない。しかも、かろうじて出てくる彼女の痕跡は政治家の世界よりも、さらに闇に包まれている。
単なる被害者でも、被害者家族でもなく、加害者としての一面すら持ち合わせているリョナの姿。
これだけでも頭がいっぱいなのに、さらに、もっと怪しいミョンフェの息子、ミョンフェの母が絡んでくる。
もう、訳がわからない。

リョナが見つかってからは、ミョンフェがジュンシクに勝つ形でいったん決着はつく。
政治権力に一般市民が負けて、真実は闇の中というわけだ。
が、ここで映画は終わらない。
ここからリョナの世界の壮絶な復讐が始まる。

これはもう連続ドラマかいっそのこと三部作とかにして、もっと人物と背景を徹底的に掘り下げてもよかったんじゃないだろうか。
それぐらい、掘り下げようと思えば、どこまででも掘り下げられるような感じなのだ。
とは言いつつも、映画が物足りないとか、ダイジェストのように見えるとかいうことは一切ない。
事実が明らかになるたびに、本当の真相が、深くさらに深く出現してきて、ゾクゾクとさせられる。

繰り返すが、頭が追いつかないだけで、無茶苦茶怖いし、面白いのだ。
特にリョナと、リョナの世界の怖さは尋常ではない。
怯える少女が一変して、微笑みながら人を殺す殺人鬼になるのも、素晴らしいと思う。

この映画を二回、三回と観る人の気持ちはよくわかる。
たぶん一回では、理解することすら難しい。
でも、僕は怖さと面白さは堪能したので、一回でいいです。

※ほか、ちょっと。
・チョン・ウヒ演じるリョナは、表情がくるくる変わり、どれが本当の姿なのかもわからない。たまらん悪女だ。
・あらためて観終わってみると、ピカレスクロマンだったのかも、という気もしないではない。
・疲れている時には観ないことをおススメします。
・最後に流れる主題歌(?)もとてもよかった。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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