HUMAN LOST 人間失格

2020年07月20日
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アニメ好きならおススメ
62点

太宰治の「人間失格」を基に描いたSFアニメ。

HUMAN LOST 人間失格



環境汚染が深刻化する未来の日本では、シェルという機関により、ネットを通じて体内を管理されるようになった人類が長寿を得るようになっていた。そんななか、死んだ人間が怪物になる事件が続出。葉蔵の親友の竹一も、死んで怪物に変わり、そばにいた葉蔵も彼に殺され、怪物へと変わってしまうのだった。しかし、葉蔵だけはシェルの広報官、美子に触れられ、人間へと戻る。美子の話では、怪物はロスト体と呼ばれ、葉蔵はそれらを操る力を持った新しい人類だというのだ。戸惑う葉蔵に、美子は力を貸してほしいと求めてくる。一方、シェルの破壊を目論む科学者の堀木も、葉蔵に近づいてきて……。

あの「人間失格」がどう解釈したらこういう作品になるのか、よくわからない。
原案としているけれど、単にタイトルと何人かのキャラクターの造形を使っただけのように思える。
なので、太宰治の大ファンという人は観ないほうが無難かもしれない。

お話はざっくり言ってしまえば、デビルマンとか仮面ライダーのような変身ヒーロー物。
ただし、主人公は死なないと変身できず、変身すると人間性を保てなくなる。
感じとしては、ベルセルクという漫画のガッツ、あるいは、東京喰種の狂った金木くんとかが近い。

で、その主人公が世界を管理する側と、世界を破壊しようとする側の両方に誘われて、となる。
普通に追えば面白い話になると思う。それが、脚本の悪さで台無しになっている。
せっかく大筋のストーリーがあるのに、あまり関係ない設定やら、世界観やら、主人公の過去やらがやたらと細かく描かれるのだ。
これは沖方丁の悪い癖で、サイコパスなんかも同じような状況になってしまっている。
彼の本は読んだことないので何とも言えないけれど、アニメに関しては、あまり上手くないと思う。

それでも、まだメインストーリーがわかりやすければ救われたのに、やたら小難しいうえに、結局のところまとまりがついていない。風呂敷を広げに広げて、そのまんまなのだ。
だから、観ていてすんなり納得もできないし、観終わった後の爽快感もほぼない。
解釈とかするのが好きな人にはいいのかもしれないけれど、エンタメ作品としては失敗だろう。

「シドニアの騎士」や「亜人」などを手掛けたポリゴンピクチャーズによる、アニメの作画は素晴らしく、声優さんの演技もいい。
それだけに、余計に脚本さえもうちょっと、どうにかすればという気がしてならない。
テンポもいいし、雰囲気もいいし、キャラも立っているのだから、本当に少し変えるだけで、すごくよくなるのに。
つまらないわけでは決してないので、つくづくもったいない作品だと思った。

※ほか、ちょっと。
・最後のバトルのむちゃくちゃ感が酷い。それまでただの怪物だった主人公が剣とか振り回し始めるのには引いた。
・作ってる人たちも最終的に収拾がつかなくなってしまったんじゃないか、と予想する。
・葉蔵役の宮野真守の壊れっぷりは素晴らしかった。
・なんで「人間失格」を利用したのかはまったくわからない。遺族の了解とか取れてんのか、これ。
・横浜の野毛がアウトサイドになっているのには、苦笑い。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

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