二十世紀少年読本

2020年08月12日
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おススメの一本
78点

林海象がサーカスを題材に撮ったモノクロ作品。

二十世紀少年読本

「三日月サーカス」の団長に拾われた孤児の仁太と渉。二人は空中ブランコに憧れ、練習に励んていたが、ある日、渉が縄から落ち、それを助けようとした仁太が脚に大けがを負ってしまう。数年後、渉はサーカスの花形ブランコ乗りになっていた。一方、仁太のほうはサーカスを離れ、ヤクザに追われる日々を送っていた……。

前作「夢見るように眠りたい」と同じく、圧倒的な世界観で魅了してくる映画だ。
どこか懐かしいサーカスの音楽と雰囲気。妖し気にも見える猥雑さ。
その中で空中ブランコがまるで光り輝くように演じられる。

物語はサーカスを離れた仁太を中心に描かれていくが、仁太がいまだにサーカスに焦がれているのがひしひしと伝わってくるのがいい。
弟の渉もまた仁太の思いを知っていて、それが余計に哀愁をそそる。
モノクロの映画というのが、またこの世界にぴったり合っていて素晴らしい。

圧巻は最後のオートバイによる曲芸シーン。
アクロバットな演技もさることながら、そこに激しい物語の展開が重なって、一気に収束していく様子はカタルシスと呼べるほどだ。
「映像詩」とでも言いたくなるくらいなのに、物語もしっかりあるのがとてもいい。
それこそ、夢を見ているような気分になる映画だと思う。

※ほか、ちょっと。
・弟の渉役を中国人の修健が演じているんだけど、じつは彼は日本語があまり話せない。なので、映画では主演の三上博史がアフレコで声を充てている。後から知って驚いた。
・林海象はこの後、ジパングという作品を撮り、しばらく表舞台から姿を消します。戻ってくるのは「濱マイク」シリーズからです。
・映画、サーカス、漫才、の三部作にしたいと昔は言ってましたが、漫才の企画はいまだに実現していないみたいです。
・本当にこの頃までの林海象は最高なんだよ。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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