包帯クラブ

2014年03月27日
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まぁまぁ面白い
55点

天童荒太の原作を堤幸彦が映画化。

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どこか醒めた感じのする女子高生のワラは、ある日病院でディノという下手な関西弁を使う男の子と知りあう。その後、成り行きから二人は、人の心の傷を癒すために心の傷の残る場所に包帯を巻く「包帯クラブ」を作ることになるのだが……。

それぞれの闇を抱えた物語と、他人の痛みをわかることができるのかというテーマ、そして人物の設定など、おそらく原作にある部分はどれも素晴らしいと思いました。これだけで「ある程度」の映画にはなり得るだけの要素です。
でも、残念ながらそれだけでは「ある程度の映画」以上にはなりません。

正直、堤幸彦さんが監督という時点でなかば諦めていました。それがずばり的中してしまった感じでしょうか。ある程度をまるで越えていない。そして、悲しいことにこれは映画というよりも、限りなくテレビドラマに近い。

ちょっと詳しく書きます。
この映画をテレビドラマにしてしまっているのは次のようなことが原因です。
・ほとんどのことを台詞で語らせている。
・音楽を使い過ぎ。
・シリアスな場面での登場人物にべったり寄った演出。
・コミカルな場面でのやりすぎ感。
・極端にキャラ付けされている人物造形。

あえて書いておきますが、別にテレビドラマと映画のどちらが上かという話ではありません。ただ、両者は似ているように見えるけれど、ジャンルはまったく別物だという話です。

テレビドラマには途中でCMが入ります。他のチャンネルに変えられてしまう可能性もあります。大勢で見るというよりは個人的に見るものです。無料です。
一方で映画は始まったら自分で劇場を出ないかぎり最後まで付き合うものです。暗闇のなかで大勢の観客と一緒に見るものです。そして有料です。

そこにある一番大きな違いは「途中の競争」があるかどうかということです。
映画にそれはありません。だから、じっくりと観られます。でも、テレビドラマにはそれがあります。だから、作り手は途中途中に「飽きないため」の種を蒔かなければなりません。

ある意味、サービス満点なのはテレビドラマのほうです。が、その手法で撮られてしまったものを映画で観るのは辛いのです。うんざりするのです。

堤さんはテレビマンとしてとても優秀な方です。それは彼の撮ったドラマを見ればわかります。でも、イコール映画監督になれるかと言えば、なれないのです。
もちろん、世の中にはテレビドラマ、映画と両方やっている方がたくさんいます。なかには成功している人もいます。でも、評価できるのは、ちゃんと手法を変えている人だけです。

ぶっちゃけ、堤さんにはテレビドラマに専念してもらいたい。そのほうが、テレビ界、映画界、どちらにとってもいいことのような気がします。

※あと、ちょっと。
・泣かせどころや笑いどころもしっかりと押さえているので、テレビドラマとして見るなら、この作品、相当いい出来のものだと思います。あくまでも劇場で観るのは耐えられないということで。(僕だってうるんだりはきたのです)
・役者さんは頑張っていたと思います。特に柳楽優弥
さんと石原さとみさんは普段あまり見ない演技で好印象を抱きました。
・ハンバートハンバートの音楽は格好いい。格好よすぎてちょっと浮いてる。しかも使われ過ぎてる。
・エンドロール後のワンシーンはちょっと蛇足のような気がしました。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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