麻雀放浪記

2014年06月19日
0
0
おススメの一本
90点

阿佐田哲也の原作小説をイラストレーターの和田誠が映画化。

majyanhoroki.png

戦後間もない時代、まだ学生だった哲は賭け事を覚え、それで生きていこうと決意する。だが、相棒と信じたドサ健に裏切られたり、一緒に賭け麻雀をしながらも恋する相手でもあったバーのママに捨てられ、となかなか人生はうまくいかない。そんな中、哲は新たに知り合った売人・出目徳と仕事をはじめる。やがて、借金のために恋人を売ったドサ健と、その女を質にとっている女衒の達、そして師匠の出目徳と哲は大勝負に挑むことになる。

昔、この映画を観て「やられたぁ」と思いました。
その後、原作小説を読んでさらに「参った」と思いました。
なので、今回改めて観てみたらどうなんだろう、と不安だったのですが、すべては杞憂でした。この映画「やぱりすげぇ」です。

とにかく人間がしっかり描かれているというのが素晴らしい。
賭け事を仕事と割り切り淡々と生きる出目徳。負け続けで後のない人生を送る上州の虎。ドサ健に惚れ込みすべてを捧げる女。女手ひとつで生きていくたくましいバーのママ。
そして圧巻なのはやはりドサ健です。

平気で仲間を裏切り、自分の女は捨て駒のように扱う。なのに憎めない生々しい人間臭さ。

原作の大ファンだという和田誠が、それら魅力的な人物たちを丁寧に描き、役者はその役を見事に演じきりました。
まだあどけなさの残る真田広之の初々しい坊や哲。
人生を達観したような風格のある高品格の出目徳。
ダメっぷり満載の名古屋章演じる上州の虎。
そして、圧倒的に魅力的な加賀丈史のドサ健。

原作にも言えることなのですが、この映画は出てくる誰もが主人公なのです。その辺、坊や哲を主人公に据えつつ、一方で狂言回しにも使っている脚本・演出がうまくいっています。

また、勝負のシーンの格好いいこと。

これは麻雀を知らない人でもきっと楽しめる映画です。
観たことのない人は騙されたと思って観てください。
嘘は言いません。
絶対にお薦めです。

※ほか、いろいろ。
・大竹しのぶ、加賀まり子の女優陣もすごく魅力的です。
・麻雀卓を回りながら撮るシーンは日本映画の傑作シーンのひとつだと思います。
・ひとつひとつのセリフがまた格好いいのです。カイジとか好きな人は絶対に観なきゃダメです。
・映画は敢えてモノクロで撮っています。ここら辺もセンスがいいなぁと思いました。
・DVDには絵コンテが付いているのですが「これ、本当に和田誠が描いたの」と思うようなひどい絵が並んでいて驚きます。
・和田誠さんの次作「怪盗ルビィ」はひどい出来でしたが、この映画があるだけで彼を評価したくなります。
・原作はこの続きも描かれています。興味のある方はぜひどうぞ。
・やっぱりドサ健、格好いいよ。男の夢だよ。
・個人的にたぶん一番好きな日本映画です。
スポンサーサイト



ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

Comment 0

There are no comments yet.