コクリコ坂から

2014年08月25日
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アニメ好きならおススメ
65点

少女漫画を原作に、宮崎駿が丹羽圭子と共同で脚本を担当し、息子である宮崎吾郎が監督を務めたアニメ作品。

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下宿を営む松崎家をきりもりする長女の海。彼女は、船乗りである父を戦争で亡くし、学者の母もアメリカへ渡っているという状況の中でも元気に毎日を過ごしていた。そんなある日、彼女の通う学校で、古い学生会館「カルチェ・ラタン」を取り壊すという騒動が起こる。一気に立ち上がる反対派たち。そんな彼らを率いる風間俊と偶然にも知り合った海は、彼にほのかな恋心を寄せ、風間もまた海を憎からず思っていた。だが、海が父親の写真を見せた時から事態は一変。風間は急に海を避けるようになり……。

ゆったりとした話にも関わらず、カットがこまめに変わる前半は、正直観ていて「ガチャガチャしすぎ。これはダメだな」と思う出来でした。
が、物語がうねりを持ちはじめる後半になってからは、そのカット割りが途端にぐんと良くなります。
ゆっくり見せるところはゆっくり見せ、はしょるところはしょる。その見せ方が前半とは打って変わってじつにいいのです。
この後半の出来で映画はなんとか持ち直したと感じました。

ここからは私見です。
おそらく、この映画は監督の戸惑いがそのまま現れてしまった映画なのではないでしょうか。

「ゲド戦記」で散々叩かれた監督の心内にはおそらく、引きの画面ばかり使ったらダメだろうって気持ちがあったんだと思います。
それが悪く働いてしまったのが前半部分です。とにかくカットさえ切っていればいいんだろう、というちょっと乱暴な感じが画面にあり、これには観ていて物語と映像が合っていない違和感をすごく覚えました。

が、後半になってからは、監督の何かがどこか吹っ切れたようでした。引きの画面は引きの画面でやりますよ。それのどこが悪いんですか。といったある種の開き直りのようなカット割り。
それはそれで、物語を活かしていてとても心地よい映像でした。

僕は宮崎駿と宮崎吾郎を比べることに何の意味もないと思っています。当たり前です。親子だろうとなんだろうと、それぞれは別人だからです。

宮崎駿が天才なのはみんなが知っていることです。でも、吾郎さんがそれを目指したら、それこそ最悪です。だって、駿さんの魅力は駿さん独自のものであり、吾郎さんのものではないからです。

やたらと評価の低い吾郎さんですが、彼に魅力がないわけではありません。特に「引きの画面」の使い方は上手いほうだと感じます。
もちろん、彼よりも才能のある人は沢山います。彼が「宮崎駿」の息子だから監督に選ばれているのも事実です。

でも、彼は彼の魅力を活かさなければ意味がないと思うのです。
今後どういう映画を撮っていくかに彼のすべてがかかっていると思います。頑張れ、吾郎。

※ほか、いろいろ。
・ビジュアル先行の面もあってなかなかパッとしなかった長澤まさみさんですが、今回の役は素晴らしく合っていたと思います。この女の子ならこの声しかないだろうと思わせられるぐらいハマり役でした。
・「ゲド戦記」の時にもちょっと思ったのですが、岡田准一さんは声優には向いていないような気がします。俳優としてはとてもいい役者さんだとは思うんですが。
・風間俊介さん、石田ゆり子さん、香川照之さんと声優は豪華ですが、そうと気づかせない上手さで満足でした。
・「徳丸書店」の社長というのが出てくるのですが、これは明らかに「徳間書店」を意識してのような気がしました。こういうのは正直言って嫌な感じを受けます。
・名作「耳をすませば」と並ぶくらいの切なさがあります。ここら辺はさすが宮崎駿といった貫禄です。この切なさ、たまりません。
・手嶌葵の歌は鉄板だと思った。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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