マイマイ新子と千年の魔法

2014年08月25日
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傑作と言っていいと思う
90点

高樹のぶ子の小説を元にしたオリジナル長編アニメ作品。

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田舎町に住む小学生の新子は素直で明るい女の子。空想が大好きで、千年前に栄えていたという都を想像しては楽しんでいた。そんなある日、新子のクラスに東京から転校生がやってくる。だが、貴伊子というお嬢様風のその少女は引っ込み思案でクラスメイトとも馴染めないでいた。そんな貴伊子に、新子は千年前の都の話をし始め……。

何の期待もせずに何気なくただ借りてきたDVDだったのですが、意外にも大当り。久しぶりにアニメで感動して泣きました。

これが単なる転校生と地元の少女との邂逅って話だったら、こんなにはジーンとこなかった思います。
もちろん、この映画にはそういう要素も沢山あります。でも、それ以上にものすごくいろんなものが詰まった映画なのです。

若くて綺麗な女教師に憧れとも尊敬ともつかない気持ちを抱く子どもたちの感情。
亡き母に対する貴伊子の複雑な気持ち。
訳のわからない「大人の事情」に翻弄されつつも、何とか立ち向かっていこうとする子どもたちの強さ。
その他にも数えきれないほどの「魅力」がこの映画には凝縮されています。しかも、その見せ方がものすごくさりげなく、そして上手いのです。

全編どこを取っても「いいっ!」って言える作品というのはそうそうあるものじゃありません。でも、この映画に関してはそう言い切れる自信があります。

特に僕が気に入ったのは、貴伊子が酔っ払って笑いながら「私のお母さんは死んじゃったの」と語るシーンと、無口で大人びたタツヨシが叫びながら繁華街を走っていくシーンでした。この二つのシーンは、本当に心に残る名シーンだと思います。

あまり知られていない作品ですが、いい映画です。
大人が観たいアニメ作品のトップクラスなんじゃないでしょうか。

※ほか、いろいろ。
・登場人物たちが語る方言がまたいい味を出しています。
・すごく細かなところまで丁寧に作られている作品だと感じました。例えば、ラストで貴伊子が方言で語っているのとかは、できそうでいてなかなかできない上手さです。
・「死」のイメージがあちこちに散りばめられているのも、この映画の素晴らしさのひとつになっています。
・だんだんと仲間ができていく感じなど、子どもの頃には確かに感じていたのに、いまは忘れてしまっているような気持ちを呼び起こされるような思いがしました。
・千年前の世界を物語に組み込んでいるところも、これまた小憎らしいほどに上手いのです。やられたって思います。
・絵柄、脚本、演出など、ジブリ映画を彷彿とさせるなぁと思っていたら、どうやらこの監督さんは宮崎駿さんととても縁の深い人らしいです。(「魔女の宅急便」では演出補をやっています)なるほどって感じがします。
・これ、絶対に地上波で放送するべきです。それだけの価値があるし、それ以上にもっと多くの人に観てもらいたい作品です。
・語れば語るほど余計にもっと語りたくなる。そんな映画でした。
・一点だけ。タイトルの中の「千年の魔法」は余計だったような気がします。これだとなんかファンタジーのような印象を受けそうなので。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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