グエムル-漢江の怪物-

2014年08月25日
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そこそこ楽しめた
65点

ポン・ジュノが監督した怪物パニック映画。

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漢江に突如現れた謎の怪物が次々と人を襲い始め、やや抜けた父親カンドゥの愛娘ヒョンソもその餌食となってしまう。一方、怪物がウィルスを保持しているという情報からカンドゥたちは保菌者として病院に閉じ込められていた。そんなカンドゥの元に死んだと思っていたヒョンソから一本の電話がかかってくる「大きな下水溝にいる。助けて」。ヒョンソは生きている。そう知ったカンドゥと父親、兄妹たちは力を合わせて、ヒョンソ救出に向かう決意をするのだが……。

怪物系のパニック映画だとどうしても「いつ襲われるかわからない恐怖」とか「誰がどうやって怪物を倒すのか」とかが描かれやすいのですが、この映画はそうではありません。
主人公はやや間の抜けたごく普通のお父さん。そして、監督はそのお父さんが娘を助けようと必死になる姿を、生活感あふれる様子で描きます。
そこが面白いなぁと思いました。

実際、怪物なんか現れたらみんなきっとこんな風になると思うのです。

また、のっけから怪物が姿を現したり、その怪物がそんなに怖くなかったり、怪物そっちのけで右往左往する政府が描かれたりしているのも、ある意味怪物映画の常識を覆していて興味深かったです。

もちろん、映画はパニック映画としてもきちんと成り立っています。逆にだからこそ、そういう普通の映画とは違った部分が生きているのです。
特に後半、怪物に向かっていく孤立した家族たちと、怪物に攫われつつ生き残った娘がどうにか逃げようとする辺りは、純粋にパニック映画として上質だと感じました。

のんびりしてるけれどスリルがあり、滑稽だけど深刻。こんなパニック映画は他に観たことがありません。面白い映画でした。

※ほか、いろいろ。
・固くて真面目な役を演じることの多いソン・ガンホが、ドジで間抜けな父親役を見事に演じています。この人、本当に上手いです。
・ヒョンソ役のコ・アソンが素晴らしい。名演技です。
・アメリカや国家に対する不信感、公害問題、貧困差別、学歴社会に対する批判など、あちこちに皮肉な要素が盛り込められているのも、この映画のひとつの特徴だと思います。
・ペ・ドゥナはやっぱり可愛い。韓国の女優さんで一番好きです。
・ラストはむしろハリウッド的にしてもよかったのではないでしょうか。これだとちょっと悲しすぎます。
・生活感溢れる非日常の世界、という点で僕は大友克洋さんの漫画を思い浮かべました。何か通じるものがあるような気がします。
・怪物の造形もよかったです。
・この監督の「殺人の追憶」も面白かったので、次は「ほえる犬は噛まない」も観てみたいと思います。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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