無常素描

2014年08月27日
0
0
まぁまぁ面白い
60点

大宮浩一監督が東日本大震災の現場を映し出したドキュメンタリー映画。

mujyosobyo.jpg



東日本大震災により、多くの建物が破壊され、同じくらい多くの命が奪われた。その生々しい傷跡が残る現場に、ドキュメンタリーのカメラが入る。

これを映画と言っていいのかどうか、正直よくわかりませんでした。
監督には「とにかく撮らなければ」という意志があったんだと思います。そして、それは画面からもひしひしと伝わってきます。
ただ、映画として成り立っているかというと、違うんじゃないかという気が僕にはするのです。

ドキュメンタリーであれ、創作ものであれ、映画には撮る「主体」が必要です。
受けつけるかどうかは別にして、この「主体」がないと映画にはなりません。
それは監督の「思い」と言ってもいいかもしれません。

この映画では、被災した場所や人々が無造作に映されます。それを撮ることに意図はありません。目の前にある出来事を、ただ撮っているだけです。
監督の「主体」がそこにはないのです。

でも、おそらく監督はその辺もわかっていてこの映画を撮ったんだと思います。
タイトルに「素描(デッサン)」と入っているのはそのためでしょう。
考えることすらできない状態のまま、なぜ撮っているのかもわからず、それでもカメラを回した結果が、この映画なのだと思います。

ところどころで入って来る、作家でお坊さんの玄侑宗久さんのインタビューに、監督の苦しみを感じました。ただ撮り続けたものを、映画としてまとめるためにも、そういうものを入れなければならなかったのでしょう。
でも、それは監督の撮りたかったものではなかったと感じます。

繰り返しますが、僕はこの映画をどう観ていいものなのかどうかわかりませんでした。ただ、記録として、食い入るようには観ました。

ドキュメンタリー以前の、素の映像。まさに「素描」というにふさわしい映画です。
スポンサーサイト



ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

Comment 0

There are no comments yet.