ディア・ドクター

2019年10月17日
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おススメの一本
80点

「ゆれる」の西川美和が笑福亭鶴瓶を主演に迎えてで描いた物語。

ディア・ドクター



研修医として田舎の村の診療所に派遣された相馬は、そこで村人たちに慕われる医師・伊野と出会う。村人たちと向き合い、ひとりひとり丁寧に対応する伊野の姿に、徐々に惹かれていく相馬。だが、そこには大きな秘密が隠されていて……。

笑福亭鶴瓶は何を演じても鶴瓶なんだけど、この映画はそこを逆手にとって上手いこと見せている。鶴瓶の人当たりの良さや、うさん臭さがそのまま伊野の人物像と重なり、とんでもなく魅力的な存在感を放っているのだ。鶴瓶以外では、これを演じられる人はいないんじゃないだろうか。

わりと前半でタネを明かして、その後の状況も全部描いたうえで、何が起こり、どうしてその関係性が壊れていったかを描く方法も見事。いったい何があったのかを、何も起こらないなかでも意識させられるので、終始ハラハラしどうしだった。
無医村の問題や、医師としての在り方、終活の問題などが、とても自然に盛り込まれているのも、また上手い。

伊野という医師の存在とは村にとって何であったのか、伊野のいなくなった村で人々はどう暮らしていくのか。嫌でも考えさせれるのだが、そう考えさせられること自体が心地いい。わりと冷淡なその後の現実もリアルだと思った。

役者陣もとてもいい。特に余貴美子と八千草薫は素晴らしいのひと言に尽きる。
彼女たちのしっかりした演技が、現実感を増し、また鶴瓶の魅力を引き立てている。
内容はじつは「ゆれる」よりも深刻なんじゃないかと思うのだが、ユーモラスに描いていて、その深刻さをあまり意識させない。
柔らかくて優しくて、とても残酷な映画だと思った。

ほか、ちょっと。
・ラストのシーンが大好き。あれ、たまらない。
・主人公である瑛太の演技も、もちろんよかった。
・鶴瓶が主役だから、という理由で今まで観ないでいたことを、ちょっと後悔しました。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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