ルルドの泉で

2019年10月24日
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観ておきたい一作
73点

聖地で起こった奇跡と、それをめぐる人々の姿を描いたフランス映画。

ルルドの泉で



全身まひを患う一人の少女が、修道女に伴われて奇跡が起こると言われる聖地・ルルドへの巡礼ツアーに参加する。彼女は現地でミサや沐浴、告解などを受けるが一向に身体が動く気配はない。ところが、最終日、突如、彼女の身体は自由に動き出して……。

現実に障害を持つ人にとって、祈りや信仰がどれほど無意味なものなのかを痛感させられる。奇跡を期待させられる、という意味では、それらはむしろ毒であり苦痛であるとも言えるだろう。
また、健常者と一緒に過ごすことが、彼らにとって「どうして私だけ」という嫉妬の思いを生むのも痛いほどよくわかる。

映画の中では主人公の身に奇跡が起きるが、その途端、それまで仲間意識で接していた人たちが嫉妬に駆られ、面倒をみていた人たちが疎遠になるのも、リアルで怖いと思った。
嫉妬する側の人間は、いつでも嫉妬される側の人間になり得る。そしてそれらを左右するのは奇跡という名の気まぐれな偶然でしかないのだ。
どんなに信仰が厚くても、どんなに病状が重くても、どんなに長い期間祈り続けても関係がない。
そう思った時、人はそれでも信仰心を持ち続けていられるのだろうか。

主人公の名前が意図的に語られなかったり、天使を思わせる存在の謎の老婆がいたり、と寓話的なのが、余計にそれが「誰にでも起こり得る」出来事であることを強調しているように感じた。
信仰の意味を問う、とても宗教的な映画だと思う。

ほか、ちょっと。
・主人公を演じる童顔のシルヴィー・テステューがむちゃくちゃ可愛い。
・ラストシーンの残酷さもやっぱり宗教への問いになっている気がする。
・監督は宗教を信仰している人なのか、とても気になる。
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ひこくろ
Posted by ひこくろ
フリーでライターをしています。
有名人に会えるとワクワクしてしまうミーハーです。
1000本分の映画をぶった斬ってしまったので、これからはおススメの映画が1000本分溜まるまでやろうと思っています。

※おススメな映画があったらお気軽に教えてください。

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